ワイバーン(wyvernまたはwivern)は、架空の生物の名称。名はマムシを意味するViperからの派生として考えられている。翼を持つドラゴンの中で二本足のもの。飛龍と訳される場合もある。ワイヴァーン、ワイヴァンとも。中世の紋章の図柄としてよく登場するワイバーンは、もともと紋章学より誕生した生物である。当時、ドラゴンの紋章は王室の紋章であったため、ドラゴンに代わるものとして誕生した。ワイバーンの逸話や神話が無いのはこのためである。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用。

 
 
 

パソコンの修繕 − よくあるコンデンサの故障

 

2008年7月1日

 

あ、皆さんこんにちは。まるほです。


元気にやっているかな?私は相変わらず元気です。
え?何かいつもと文章の表現が違うって?

 

うなんです。先ほど”brainiac”というイギリスBBCテレビの科学実験番組の動画を見て大笑いしていました。いま、ちょっとハイです(笑)。

こういう番組があるんですね。この番組はいろいろな実験をオムニバス形式で放映しており、その内容が結構過激です。

 

その中でも、秀逸だったのはアルカリ金属元素を水に溶かすとどうなるか実験してみようという主旨の番組でした。

水と強烈に反応するアルカリ金属を順番に水中に落として行きます。

最初は反応の穏やかなものであるリチウム(Li)やナトリウム(Na)、カリウム(K)を水の中に落としていき様子を観察します。

私は、それを見ていて以外と正統派なカタイ実験もする番組なんだなー、と思ったのが甘かった。

 


この番組が

普通で

終わる訳がない。

 


をするかといえば、アルカリ金属元素でも非常に重い元素であるルビジウム(Rb)やセシウム(Cs)を水に落っことしてみようとするんです。下の表を見てください。理科の時間に見たあの周期表という奴です。

 

うんざりする人もいるとは思いますが、我慢してください。
難しい事は言いませんので、ちょっとだけ説明します。この表は並び方が工夫されていて、周期表の横は元素の重量の順番に、周期表の縦は同じような性質を持つ元素が並ぶように配置されています。

 

 

 

1

元 素 の 周 期 表

18

1

H

2

 

13

14

15

16

17

He

2

Li

Be

B

C

N

O

F

Ne

3

Na

Mg

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

Al

Si

P

S

Cl

Ar

4

K

Ca

Sc

Ti

V

Cr

Mn

Fe

Co

Ni

Cu

Zn

Ga

Ge

As

Se

Br

Kr

5

Rb

Sr

Y

Zr

Nb

Mo

Tc

Ru

Rh

Pd

Ag

Cd

In

Sn

Sb

Te

I

Xe

6

Cs

Ba

*

Hf

Ta

W

Re

Os

Ir

Pt

Au

Hg

Tl

Pb

Bi

Po

At

Rn

7

Fr

Ra

**

Rf

Db

Sg

Bh

Hs

Mt

Ds

Rg

 

 

 

 

 

 

 

 

ランタノイド

La

Ce

Pr

Nd

Pm

Sm

Eu

Gd

Tb

Dy

Ho

Er

Tm

Yb

Lu

 

アクチノイド

Ac

Th

Pa

U

Np

Pu

Am

Cm

Bk

Cf

Es

Fm

Md

No

Lr

 

 

 

回番組の中で実験している元素は表の「黄色」で囲われているものです。

この部分が通称アルカリ金属元素といわれる部分で、水ととても相性が良く、水分子と結合するとエネルギーを発生させます。エネルギーを発生すると書きましたが、平たく言うと「爆発する」という事になりますか。

 

どうしてでしょうか。爆発には何かこういい知れぬロマンを感じますね。


また、周期表の中で表の下のほうにある「重量がある」というのは、元素の中に大きなエネルギーを有しているという意味です。

 

簡単に言いますと、周期表の下に行けば行く程、元素の挙動が激しくなります。

表の下にある元素ほど過激だという事です。このアルカリ金属という種類に限って言えば爆発的に水分子と反応します。


リンクはYouTubeニコニコ動画の二つのものを貼っておきます。

ちなみに、両方とも同じものです。

 

       

 

YouTubeの動画は字幕がありませんので英語のわかる方にお薦めです。

(YouTubeをもっと大きな画面で見たい人はこちらからどうぞ。)

 

また、ニコニコ動画はアカウントの取得が必要ですが、視聴者がリアルタイムで動画上に文字を作れるような工夫がされていますので、日本語字幕らしきものが作られています。

両方ともいちど覗いてみてください。比較しながら見ると面白いですよ。

 

 

ルビジウムの爆発風景

ルビジウムを水の中に入れて爆発した瞬間の画像。

たった2グラムでこの状態ですから、強力な爆発ですよね。実験の助手さんもバスタブに手榴弾を投げ込むようなものだ、と言ってますから。

セシウムの爆発風景

水柱があがってますね。すごいです。

セシウムを水中に入れた場合は爆発の威力が桁違いです。さらに、周期表の下にはフランシウム(Fr)という元素もあるにはあるのですが、この元素は放射能を出すので今まで出てきたもの以上に過激ですし、危ないです。

さすがに過激すぎるのか、フランシウムを水中に落とすというのはこの番組でもやりませんでしたが。

 

 

 

おっと、これはいけない。俺は何を語ってんだ!

あまりにも動画が面白かったんで、変な方向へ話が飛んでしまいましたよ。本日の御題とまったくかけ離れてしまいました。

今日はパソコンの修繕に関しての話でしたね。忘れてました。

 

客さんが例のごとく、起動画面が写らなくなって、全く動かなくなってしまった。見て欲しいとの依頼がありました。


当初はパソコンの中に入っているボタン電池の電池切れかと思っていました。まず起動状態を見てみますと、パソコンのシステム認識を行う基幹アプリであるBIOSすら動きません。

 

もし電池切れの場合だとBIOSはちゃんと起動するんです。BIOSに憶えこませる為の記憶内容の保持動作がボタン電池によって行なわれていますので記憶内容が無くなっているというエラーメッセージが出てくる場合はボタン電池の交換でカタが付きます。しかし、今回はBIOSも全く動かない状態になっているので、電池とは異なる原因でPCがフリーズしているようです。


こういう場合は、PCの中身を開けてみて機器の状態を確認してみるのが一番です。そうして見てみますと、パソコンの心臓部であるPCU周りのコンデンサが異常であるのに気がつきました。

 

MBコンデンサの現況

マザーボード上に乗っているコンデンサの写真です。

赤丸の部分がおかしいのですがわかりますか?隣の黒いコンデンサの天井部分は平たいにもかかわらず、このコンデンサは膨らんでいますよね?

これはコンデンサの内部に異常がある事を示しています。

CPU廻りの状況確認

膨らんでいるコンデンサは合計2つ。同じメーカーの同じ容量を持つ同ロットの製品である物みたいです。

同ロットの製品は3つです。赤丸3つがそれなんですが、同じメーカーでも黒いコンデンサはなんとも無いのですが、この製品だけがおかしいようですね。

おかしいと思料される部品は全数交換が原則です。

 

電圧・低消費電力が時代の趨勢と言っても、高速な計算処理を行うCPUは演算時に大きな電力を消費します。電力の消費をしている時に何らかの原因で少しでも電圧・電流が不足するような事態が発生した場合にはパソコンの動作がストップしてしまいます。

 

これは、一瞬でも電圧・電流が不足した場合はPCがフリーズしてします。高速で駆動していますからね。


そこで、CPU周りに高容量のコンデンサを配置しておき、電圧・電流不足に備えておきます。CPUの周りはこのような高容量のコンデンサが沢山配置されており、容量の大きなコンデンサは電解コンデンサという種類のものが安価で大量に市場に出回っています。

 

電解コンデンサとは「電気伝導体の表面に化学的に酸化皮膜による誘電体層を形成し、電解液に浸したもの。誘電体層が非常に薄くなおかつ比誘電率が大きいため、大容量が得られる。」とウィキぺディアに書かれてありますが、何を言っているのかよく判りませんね。

これを読んですぐに理解できると言うのならば、あなたは技術屋になれます。

 

それでは、私なりにわかりやすく説明してみましょう。

銅線2本を油紙みたいなものでくるくる巻いて、変なニオイのする電解液というモノに浸してアルミの筒に放り込んだ部品と言えば大雑把な説明ではありますが、理解しやすくなると思います。

 

何をしている部品かといえば電気をためる事ができる部品です。電池と同じです。極端に言うと構造的にバッテリーと同じだと思ってもらって構わないです。

 

どうしてそんな構造の部品に電気をためる事ができるのか?と考えるのはやめておきましょう。眠れなくなります。それ以上考えると、考えた人の負けです。

 

回の修理は正にコンデンサがおかしくなった状態の典型事例です。


実はネットでもよく言われていることなのですが、パソコンを通常の使い方をしているにもかかわらず、普通に考えられる寿命よりも遥かに短い時間で膨張・液漏れといった不良を起こしマザーボードが故障してしまう事が多く発生しています。


専門家によると、コンデンサの寿命は通常7年とされていますが、いいかげんに製造されているものは3から4年で劣化し始めるということです。

 

じゃあ、特殊な状態と言うのはどういう状態をいうんだ?その場合はもっとひどいのか?と言われるかもしれません。

例示的列挙として挙げられているものは、電源の容量不足やコンピュータの過熱、過負荷、CPUのオーバークロックなどによっても、早い段階で障害が起きやすくなるとのことです。

 

つまり、通常通り使っていようとガンガン使っていようと、いいかげんなコンデンサを使うとすぐに壊れてしまうと言う事ですね。まったくどうしろと言うんでしょうかね。


通常、私たちはお店でパソコンや電化製品を購入するのに機種や使い勝手を見ようとしますが、どんなコンデンサを使っているだろうか等と言いながらコンデンサの種類を見て買う事はないですよね。

そんな事をする人はヘンな人です。

 

すから、当たりくじを(本当この場合は“故障”と言うハズレなんですけど)引かないように祈るしか消費者にはすることが無いです。

 

ハズレを引いた場合は補償期間中なら無料で修理してもらいましょう。補償期間以降の場合は有償修理か買い替えまたは自力修理という手もありますね。

 

故障原因から、いろいろな文献やネットでの情報を調べてみますと、中国や台湾製のコンデンサメーカーに不良品が多い事がわかります。
メーカー各社は、自社の基準を設定してその基準をクリアした製品を販売していますが、国内メーカーの方が厳しく、信頼性も高いです。

 

そこで、今回のPCボードについているコンデンサを見てみますと実に怪しいコンデンサが付いています。これは、どこのコンデンサだ?

 

あやしい、あやしすぎる!

 

 

孕みコンデンサ上から

膨らむような状態になる事をメーカーは想定して部品を作っています。

膨らむ場所には切れ込みを入れて強度を下げておき、全体が爆発したり、膨張したりしないようにする工夫です。

この切れ込みされた仕組みを防爆弁といいます。メーカーごとにこの切れ込みのカタチが異なりメーカーの個性が反映されています。このメーカは十字の切れ込みですね。

ちなみに、電解コンデンサに記載されている105℃と言うマークは使用温度の上限を意味しています。

孕みコンデンサ下から覗く

 

電解コンデンサの中身は電解液が入っており、周りをアルミケースで保護し、端子部をゴムで密閉しています。

この写真では端子部のゴムがパンパンに膨れ上がっているのが判りますね。

あまり良い状態ではありません。電解液が漏れてもおかしくない状態でした。この中にある電解液が漏れて基板上に散ると、他の部品を破壊して故障を拡大させ収拾がつかなくなります。

膨らんだコンデンサを測ってみる

故障しているコンデンサを容量計で計測した状態。3300uF(容量の単位でマイクロファラッドと読む。)の規格品ですが、規格の半分以下に落ちていますね。(1601uFと容量計は出てます。)

コンデンサの容量が抜けていると、このような状態になります。容量抜けまたはドライアップといいます。

 

盤から取った膨らみコンデンサを観察してみると、「OST」とか「I.Q.」とか印刷されています。これらの文字や外観を基にいろいろ調べてみますと、どうやら台湾のメーカーのようです。

 

以下のように書いてありました。 

(→ http://capacitor.web.fc2.com/を参照。)

 

正式社名 : Taiwan Ostor Corporation 台湾奧斯特股有限公司
本拠地 : 台湾
歴史,規模 : 創業10年以上
主な生産品 : キャパシタ

 

安物マザーボードでよく見ます。

全て日ケミや松下のコンデンサかと思っていたら、ひっそり小さいOSTがある、なんて場合もしょっちゅうあり、とにかくよく目にするコンデンサです。

BioStarが好んで使用しています。現地で東信工業の販売代理も努めています。

一般的には品質は良くないとされていましたが、最近は液漏れ報告は少なくなりました。フィルム色は色々で適当。(省略)I.Q=OSTで間違い無いでしょう。OSTの前身がI.Qなのか、I.Qという会社をOSTが吸収したのか、別ブランド名なのかどういう経緯があったのかはわかりません。

 

あまり、よい評価のあるコンデンサではないようですね。

 

換するコンデンサの選定について少しお話しましょう。CPU廻りに取り付ける電解コンデンサは非常にデリケートです。そのへんにある通常品を持ってきて、はいこれでOKという訳にはいきません。

 

まず、抵抗値は低い事。コンデンサにも電子部品である以上、抵抗値の低い銅をはじめとする導体が使われます。しかし、導体が電気を通すと言っても少量の抵抗成分があります。その抵抗成分の事を等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance,ESRと略します。)といいます。

コンデンサに抵抗成分があると周波数の振幅が減衰したり、微弱な低電圧駆動回路に脈流が発生しやすくなったります。そこで、できる限り抵抗を発生させないような工夫が必要です。

 

次に、ハイリップルである事。直流でも電源や回路によっては交流分が含まれる場合があります。この交流分の電圧の事をリップル電圧と言うのですが、リップルが多い場合は、コンデンサに交流電流が流れコンデンサが発熱します。

交流用コンデンサなどではあまり問題になりませんが、直流用コンデンサ、特に電解コンデンサでは、絶縁体である化成皮膜の寿命が早くなり極端な場合は膨張・破壊します。交流電圧リップルの許容率を高くしたものがハイリップル型のコンデンサといいます。

 

以上の要素を考えて日本製のコンデンサを選定して購入しました。ニチコンのHMシリーズ低インピーダンス(低ESR)コンデンサです。

 

 

ESRコンデンサ

今回修理に使ったコンデンサはニチコンのHMシリーズ低インピーダンスコンデンサです。

ESRは0.02オーム、定格リップル値は2.8アンペア(実効値)の性能を有しています。

まあ、パソコンのCPU周りならこれくらいの性能で十分だと思います。

ESRチェッカーで計測

とりあえず、ESRチェッカーでESRをチェックして見ましたところ、所定の値が出ていました。

やはり日本製のニチコンです。カタログスペックにちゃんと合わせてくるところは、さすがです。

普通のコンデンサをESRを計測

そのへんに転がっていた同容量のコンデンサをESRチェッカーで計測しましたところ、0.04オームありました。

精度的なものを考えてみると、個人的にはそんなに変わらんのじゃないかなーというのが感想ですが、低周波回路になると抵抗値が半分になると性能もかなり変わってくるはずです。

10年前に購入したものだから、これも少し容量抜けが起きてます。

 

定の製品のコンデンサのみが容量抜けを起こし、壊れていると言う事実の把握ができました。さらに、代替品を使用して修繕も完了させる事ができました。

パソコンは完全に動作しています。

 

が、ここで少し考えてみましょう。製品に問題があった事に加えて、なぜあの部分で容量抜けが起こったのかと言う事については考える必要があります。

 

下の写真を見てください。CPU廻りにある修繕済みのコンデンサですが、ここにエアフローの矢印を書いたものを書くと非常に理解が早くなるのではないでしょうか?

ちなみに、エアフローとはエアフローとは排熱対策の事で、機器内部で発生した熱を効率的に排出できるかどうかが機器の寿命を左右し電気機器には必ず施されます。

CPUファンもエアフローの工夫のひとつです。CPUは電気を食いますので発熱が激しく、発熱をCPUにくっ付けたアルミニウムの放熱板で熱放射させる機構を使っています。

また、放熱板だけでは効率的な排熱を行えなくなる可能性があるのでファンを付けて熱交換効率を向上させています。

 

修繕完了!
修理を完了させた状態で撮影。赤丸部分の故障するだろうと思われる部分のコンデンサをすべて換装し、電流・電圧値をチェックしパソコンの電源を付けると正常に起動しました。
エアフロー矢印図

横のエアフロー矢印を見てくださると判ると思いますが、コンデンサにCPUファンの生暖かい風が当たるような構造になっていますよね。

この風がコンデンサのドライアップを加速させた原因です。

コンデンサの構造に加えてドライアップしやすい状態になっていることが、この故障を誘発した原因です。

 

ンデンサのアルミ構造体があまりうまく設計されていなかったのでしょう。中の電解液が乾燥しやすくなるような状態になっているのではないかと思います。電解液が乾燥しやすい状態になっているのに加えて、CPUファンの生暖かい風が当たるのでドライアップが加速したのではないかと言う結論です。

 

パソコンだけではなく、電化製品一般に言える事ですが、この頃コンデンサのトラブルが少し多くなってきたように思います。

メーカーもコンデンサの選定は気を使ったほうがいいのになーと思うのは私だけなんでしょうか?

 

機器を長持ちさせるには大事な事なんですけどね。

 

 

 

 

 

 

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