さて、更新が大幅に遅れてしまいました。あらかじめ謝っておきます。去年の年末から年初にかけて、私のメインPCがきかん坊になってしまい修復に時間がかかってしまいました。古いシステムですが、日ごろ使い慣れた機械でずっと快調に動いてくれると思い込んでいたのが間違いのもとでした。不具合の最終的な結論は日ごろのメンテナンスを怠ってしまったというところにあるのですけどね。今回はその反省を踏まえてそのことについて書いてみようと思います。
私の使うPCはAT互換機(要するにウィンドウズで動くパソコン)でCPUをクロックアップ(無理して使ってるという事)して使っています。年末に突然、プリンタへ信号を送らなくなってしまいました。ハードウェアを点検しても、問題はなかったです。ソフトウェアの問題かと調べていくと、ウィンドウズのプリンタドライバ等の書き込みを統括しているシステムファイルが破損していました。そこで、壊れたのもいい機会だからシステムを総入れ替えしてしまおうと思いました。それが間違いの元だった。
私のメインで使うPCのOSはウィンドウズ2000プロフェッショナルて、調子よく動いているので本当はXPに書き換えするのが嫌だったという思いもありました。しかし、ウィンドウズVISTAが発売されようとする時に、このOSに執着するのもどうかというのもありましたので、やはりウィンドウズXPに書き換えしようと考え、セットアップディスクを放り込み、書き換え処理を行おうとすると、しばらくしてイヤな画面が現れるじゃないですか。真っ青な画面で「STOP: 0x0000****・・・」。いわゆるストップ・メッセージというやつです。このメッセージがウィンドウズ起動中やセットアップ中に出ると致命的なトラブルが発生している事を意味します。この真っ青な画面はトラブル発生による狼狽したユーザの真っ青な顔と同じという意味でしょうか?マイクロソフトも洒落た皮肉をきかしてくれます。
セットアップOSが出したメッセージは「0x00000050」、0x50ストップというものでした。このエラーは簡単に言うと、機器のメモリに必要なデータがない、またはあっても読み出せないということを言っています。(わからなくても気にしないでください。あー、そういうもんがあるのかと読んでくださればいいです。このあたりのことを本格的に考えると夜眠れなくなるか、5秒で眠れるようになるかのどちらかです。ちなみに、私は夜眠れなくなるほうです。)
あー、やっちゃった、と思いました。
このエラーの原因はハードウェアのメモリが壊れているかハードディスクに問題がある場合が多いので、メモリから順番に調べていくことにしました。トラブル・シューティングは地味な作業の積み重ねです。メモリの読み出し書き出しについて、こちこちとテストしていくとメモリにエラーは無いようです。私はメモリをバルク品(保証の無い代わりに価格的に安価なもの)で使っていましたので心配でしたが、テストは何とかクリアしました。ちなみに正規品だとメモリについてはかなり長期間の保証がメーカーによって行われていますので、調子が悪くなっていれば交換してもらえます。言い換えれば、余程の事がないと壊れないということです。ただし、マザーボードとの相性の問題は出てきますが。
つぎに、ハードディスクを調べます。ディスクのSMART属性(ディスクの診断プログラムのようなもの)を読み込んでいくと、普通よりも読み込みエラーが多いことに気付きました。その原因は何か?つまり、こういうことです。PCがハードディスクにプログラムを書き込む際に、ディスク容量は限られている訳ですから、できる限り効率よく使う必要があります。そこで、プログラムを分割してハードディスクの中にすき間がないように格納します。そして、読み込みの場所を覚えておいて次に読み出す時にプログラムをくっつけて読み出せば正常に稼動することができるわけです。このようにディスクの効率的な運用をウィンドウズOSは行ってくれるのですが、多くのプログラムが分割されるとハードディスクの読み書きが激しくなります。この事は、PCがハードディスクに対するアクセスが頻繁になり読み込み書き込みエラーを起こす頻度が増えるということを意味します。これを防止するために、ウィンドウズは「最適化」というアプリケーションをもっており、プログラムを極力分割しないような工夫をディスク上で作っています。
実は私の場合、この最適化をずっとおこなっていませんでした。最適化を行っていないディスクは読み込み書き込みの速度が徐々に遅くなっていきます。さらに、OSはハードディスクのヘッダを頻繁に駆動してプログラムを見つけようとしますから、機械的な故障の発生率が上昇します。部分的に読み込み書き込みができないとハードディスクが判断するとその部分は不良セクタ・不良クラスタといって読み書きが行われなくなります。それは、システムファイルでも同じです。ハードディスクをチェックしましたら、その不良セクタ・クラスタが80ギガのハードディスクの中に8メガほどありました。この不良セクタ・クラスタがセットアップの実行を中止する原因となったわけです。
さあ、原因はわかりましたが、再セットアップ上書きは無理でした。システムファイルというのはディスク上の占有空間をある程度の幅を持たせて書き込んでありますが、ハードディスクの固定位置を占めていて、その部分だけを取り出しや変更、移動ができないようになっています。実際問題、ディスクの内容を完全に写し取る方法はあるのですが、不良セクタ・クラスタがある場合は一個一個のファイルを地道にチェックして取り出すしかないようです。
これは、主要ファイルを退避させて、ディスクの完全フォーマットしかないな、と方針が決まりました。 あー、大変だ。
物理メモリを増設して、ディスクを完全フォーマットし従来のウィンドウズ2000を再セットアップしました。ハードが旧式にもかかわらず、欲目を出してXPに変更しようとしたのが悪かったのかもしれません。ウィンドウズ2000をセットアップに変更です。何とかセットアップは完了ましたが、今度はCD−ROMドライブの調子がおかしいのです。前から調子はおかしかったのですが、今回の再セットアップは異常に長時間かかりました。今まではあまり気に留めていませんでしたが、完全にCD−ROMの読み込みを行わなくなりました。
「次はこの部分がつぶれたのかよ(怒)。」
さすがに疲れてきましたが、ここまで来た以上やるしかありません。ハードウェア・チェックを始めましたが、異常はありませんでした。では、ソフトウェアはどうかと駆動ドライバのアップデートを含めチェックしましたが、異常ありません。CMOSチップや電気信号もクリアしているようです。読み取りレンズの汚れか?見てみましたが、綺麗なものです。分解してチェックしてみましたが、基盤やチップのブローもなかったです。結局、CD−ROMドライブをまるごと交換しました。
これらが終わって、復旧したら今までのソフトウェアとドライバの再インストールと調整です。ネットワークの調整も行う必要があります。結局、正常な稼動状態になるまで延べ3日ほどかかりました。
今回の原因は、最適化を行うというごく簡単なことを時々行わなかったことに問題があると思います。大容量ディスクが当たり前になり最適化に時間がかかると思いますが、皆さんもできる限り、最適化は行っておきましょう。マイコンピュータのCディスクのプロパティ画面上にツールというタブがあります。そのタブを開くと最適化アプリが出てきます。それを時々使って最適化するほうがシステムも長持ちしますし、復旧に要する貴重な時間を無駄にしなくて済みます。
それにしても、疲れた(笑)。
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