ワイバーン(wyvernまたはwivern)は、架空の生物の名称。名はマムシを意味するViperからの派生として考えられている。翼を持つドラゴンの中で二本足のもの。飛龍と訳される場合もある。ワイヴァーン、ワイヴァンとも。中世の紋章の図柄としてよく登場するワイバーンは、もともと紋章学より誕生した生物である。当時、ドラゴンの紋章は王室の紋章であったため、ドラゴンに代わるものとして誕生した。ワイバーンの逸話や神話が無いのはこのためである。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用。

 
 
 

盆休み − デロリアンのプラモデルを作る。どこまで作りこめるか?

平成19年8月22日

 

んにちは。まるほです。このクソ暑い残暑御見舞い申し上げます。どうして8月下旬だと言うのにこんなに暑いのでしょうか?予報では冷夏だ、いやいや酷暑だ、と好きなようにメディアで言ってますし、それに振り回されるのはわれわれです。メディアに勤めている連中の脳みそもこの暑さで沸騰してしまっているのでしょうか?何とかして欲しいものです。

現場に出ている方、外まわりで営業されている皆さん方も大変だと思います。


て、皆さん盆休みは満喫されましたか?私のほうと言えば、結構時間がありました。そこで、プラモデルを作ることにしました。実は、毎年の盆休みは時間を作ってプラモデルを1個作ることにしています。


趣味なら、常にたくさん作ったりいろいろ購入したりして、やっているのでしょうが、私の場合は1年に1個だけ作ることにしています。

なぜ1個しか作らないのか?理由があります。私はモノを作ると言うことを生業(なりわい)にしている人間ですが、仕事の性質上、モノを作る機会を他社や外注に依頼することも多く、どうしても自分の手でモノを作りたい衝動に駆られることが多々あります。

とは言っても、仕事ですべての工程を自分で完了させると言うのは不可能なことですから、ある時3日間程度の期間で自分の手のみで完成させることができるようなものはないか、と考え探してみるとプラモデルあたりが妥当ではないかな、という結論に至りました。

プラモデルをひとりで作ることで自らの手で作ることの確認行為を行っている訳です。また、微細加工も必要ですし、自分の集中力の度合いを確認すると言う意味で作っています。

 

何か、こういう風に書くと修行みたいだな。


作工程は3日間で完成することを通常の目標にしています。

3日間と言うけれど、そんな程度のモノ作るのにどうしてそんなに掛かるのだ?さっさと作っちまえばいいんじゃないか?という声が今そちらから聞こえてきました。

3日の間に組み立て、パーティングライン(プラスチックの割れ目、継ぎ目のこと)の処理、調色と色塗り、各所の改造と言った工程をすべて終了させるのでそれだけの時間が掛かるのです。

単純に3日間といっていますが、実働3日間です。24時間×3日=72時間程度を目標にして完成に至ります。

 

 

F16ファイティングファルコン

左の写真はF−16ファイティングファルコンです。去年の盆休みに作りました。これで3日+微修整0.5日の合計4日です。こんな感じで作ります。とても時間が掛かります。

横からの写真のほうが良かったかな。どうも迫力に欠けますね。

 

つもは航空機、特に戦闘機を作っているのですが、今回は趣向を変えてバック・トゥ・ザ・フューチャーの「デロリアン」を作ることにしました。

デロリアンというのはバック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTTF)と言う映画の中でタイムマシンに使われていた車ですね。

 

BTTFで科学者のドクがデロリアンをタイムマシンに改造してタイムトラベルするのですが、タイムマシンに改造されたデロリアンがアオシマ文化教材社から以前に発売されていました。

5年ほど前に購入したモノですが、作らずにずっと置いておくのも場所の無駄ですので今回作ってしまう事にしました。

 

BTTFのキット

BTTFのデロリアン。アオシマ文化教材社の1/24スケールモデルです。

ネットでぱらぱらと検索するとアオシマ文化教材社は車関連の模型が強いメーカーのようです。

車の模型を本格的に作り込むのは初めてですので、自分の頭に描いた工程とおりになるでしょうか。どうなるか少し心配です。

 

は、どういうふうに作りこむのかをある程度のアウトラインを決めておきましょう。どの作業でもそうなのですが、ある程度の方向性無しで行き当たりばったりで製作に突入すると材料や工程に無駄が多くなり、時間のロスにつながります。そういった意味でアウトラインを決め、それを守って製作するのは大事なことです。以下の通りです。

 

  1. 実物の車体がステンレス製であるので、プラモデルでも実車と同じステンレスのヘアライン仕上げを行い、プラスチックの質感をなくす。

  2. BTTFの設定資料によるとこの車の改造は手作りであることを強調してデザインされているとありましたので、キットで省略されているドクが改造した部分については詳細に作りこむ。

  3. 1/24のスケールモデルである為、内部には配線を仕込む隙間がかなりあるので、発光ダイオードや光ファイバーを使い、映画や実車で光っている部分を実際に光らせるようにする。

  4. 3の電源を電池式とし飾り台を製作し、飾り台の中に電池と電源、点灯点滅回路を配置する。

 

こんなところでしょうか。これを元にいろいろ考えて行きます。

 

ラモにいかにして金属の質感を表現するか。これはかなり昔からよく言われていることらしく、いろいろな方法があるようです。

しかし、あまりに凝ったことはできないので手っ取り早く行きます。金属の質感を手軽に出せる塗料があります。その塗料をエアブラシ(塗料をスプレーのように噴霧する機械)で噴きます。乾いたら少し水をつけてティッシュや綿棒で塗装表面を磨きます。

それを2〜3回繰り返すときれいな金属面が出来上がります。そのあとに目の細かい紙やすり(番数で言うと#2000〜3000くらい)で軽く磨いてやります。すると、きれいなヘアラインの金属光沢面が現れます。

 

 

ステンレスの塗料

私が使った塗料。

MRメタルカラーNo.213のステンレスです。最初はどうやって使おうかとまごつきましたが、少し試し噴き、試し磨きをすることで要領を得ました。

ビンの中の塗料はエアブラシに対応できるよう薄めに調合されています。筆塗用ではないようです。

用法に書いておいて欲しいところです。

ステンレス仕上げ面

←表面光沢。どうしても拡大写真になると表面上のアラが見えてしまいますね。

黄色を少し入れましたのでニッケルに近い、渋みのある銀色に仕上がっています。

 

に、各所の改造です。これはどこのメーカーも同じなのですが、細かい部品を一体成型にしてしまうのが好きなようです。

しかし、それをやられてしまうと、色も塗りにくいですし、模型がデフォルメされてしまうので、リアル感に欠けた完成品となってしまいます。そこで種々の改造を行います。

デロリアンのタイヤ周りや操縦席周りに配置されている配線類は写真で見ていただければお分かりのとおり、一体成型の部品です。

これを細い線を使って再現してしまいましょう。線は耐熱架橋ビニル電線の0.98ミリと0.65ミリ径の電線を使って作り込んでみました。

 

 

フロント部分の改造前
フロントパネル部分の配線部分は一体成型されていますので、この部分を削り取ってビニル電線をそれらしく引き直します。
改造後

フロントパネル部分の改造後。配線関係を元通り入れることは出来ませんでした。

仮に元通りの形で入れるとフロント部分が入線で一杯になってしまうことが判明、急遽地味な形に入れ直しました。

それにしても派手な配線だよな。また、やりすぎましたね。

フロントサイド面改造前
サイド部分の一体成型されている配線も削り取って、ビニル電線を使いそれらしく作り直します。
改造後

サイド部分の改造後。

赤のバインド線はコイルの被覆銅線を使用し、大きなバインド線は熱収縮チューブを使って結束。

ちょっと線の色が派手すぎたかと反省。

 

らに、発光ダイオード(以下LED)と光ファイバーの設置に関してどうするか考えます。ある程度の数と電流値、電圧値が分からないと回路を組み立てられないので、回路図をひくことにしました。

 

回路図のスキャン

※図面に赤で汚くいろいろと書いていますが、私のメモです。ご容赦ください。

 

路図まで描くのかよ、何とも大層だなという声が聞こえてきました。頭の中ですべてを整理整頓して理解できる方もいらっしゃるようですが、残念ながらそのような能力を私は持っていません。


私の場合、紙に描いた内容を元に概念構築するほうが頭の中のみの概念構築よりはるかに早いです。

それは一体どういう事か?電材屋へ不足している部品を購入に行く場合を考えてみればよく分かるのですが、私の場合購入に行くのは大阪の日本橋です。日本橋まで行く所要時間は片道で1時間15分です。往復にして2時間半の時間を無駄にするわけですから、制限時間を決めている以上、無駄な時間は極力省略したいと考えます。

日本橋へ行く回数は1回で終わらせるようにします。材料不足で何度も行くことになるとそれだけで時間のロスが増える事になります。

そうならない為に必要なことは、決定事項とされる確実な内容があることが大前提となります。頭の中にある場合は確固としたものを持っていると思っていても変化することが多く、頭の中だけで決定事項を描いておくことのみではあまり効率的であるとは思えません。


て、回路図を見てくださると大体分かるのですが、フロントライト(電灯色)4灯、方向指示器(黄色)4灯、リアライト(赤色)4灯、光ファイバーによる光源(白色)1灯、車両底面部分(緑色)2灯、足元灯(白色)4灯です。


他に、青色のLEDを組み込んでやろうかと思っていましたが、どうしても車両内へのLEDの組み込み数に限度があり青色の組み込みは断念しました。

 

あまり関係の無い話になりますが、青色のLEDが発明されてからLEDの使い方が非常に広がりましたね。

青のLEDが発明されたから、白色のLEDも作ることができるようになったのですから。

発明者が特許の訴訟で会社に発明の対価として100億円支払いやがれといった気持ち、個人的にはとても良く分かります。


路構成で方向指示器は点灯だけと言うのはどう考えてもおかしいので、点滅と点灯を選択的に行えるようにON−OFFスイッチに加えて点滅点灯の選択用スイッチを付けることにしました。


点灯と点滅の切替えだけの地味な回路ですが、点灯を点滅にすることは電気的にちょっと手間が掛かります。

それゆえにトランジスタやコンデンサが入った増幅回路の構成になります。この部分が少し複雑な回路構成になるのであまり細かいことを話し出すとこのページでは収まらなくなってしまいます。それに、そのことで話し出すと5秒で睡魔が襲ってくること確実ですしね。

興味のある方はネットで「非安定マルチバイブレーター」回路で検索してみてください。今回の回路はその応用です。

それを読むと、きっとよく眠れますぜ。


光ファイバーも車体内に這わせました。1φ電飾用のプラスチック製ファイバーですので曲げるのは簡単です。

ただ、曲げてしまうと光の屈折が悪くなって先端に光が届かないようになりはしないかと危惧したのですが、大丈夫なようです。

これが通信用の光ケーブルだと確実に転送エラーが発生するでしょうけどね。瞬間接着剤を使いながら車体内部の形に沿うように曲げていきます。

なお、光源はLEDの白を使って光ファイバーの先端と一緒に車両内部に据付けます。

 

 

LED

LEDをはんだで銅線と接合して接合部分のショートを防ぐために熱収縮チューブを使って保護した状態での撮影。

今、LEDはたくさんの色があります。今回、驚いたのは電熱灯の色を再現したLEDがあったことです。フロントライトに採用しました。

飾り台の内部その1

飾り台の中にある空間に回路基板と電池ボックスを配置し、位置決めをした状態での撮影。

LEDを点灯させるトグルスイッチを付けてみましたが、位置取りが見事にガタガタですね。

丁寧にやっているつもりですが、どうしてもこういう状態になります。苦手です。

適当に回路をでっち上げて配線した状態。線も相当まとめたつもりでしたが、やはりぐちゃぐちゃですね。

点滅回路の構成はトランジスタ2SC1815×2とコンデンサ100uF×2、あとは抵抗がぱらぱらと、です。

もっときれいにできないものか。シンメトリー(対称)配置が理想的なんですがね。

飾り台を閉じたところ

飾り台を閉じた状態。この上にデロリアンを載せます。

載せる前につや消し黒をスプレーしてプラスチックのヒケを消してしまいます。

なお、台上にある4つの白い点は白色LEDです。床下灯として使用します。

 

C6Vにて設計、4個の電池ですべてのLEDを点灯させます。車体以外にもLEDを点灯させる箇所を作りましたので、その部分も考慮に入れてあります。

 

納まりを検討したとき、こんな感じでいいんじゃないかなーと軽く思いました。しかし、よく考えてみると、私は納まりで失敗するんですよ。納まりをもっとよく考えないと!

台座に余っていたステレオアンプにつける足を取り付けました。

どうでしょう?重厚な感じ出ていますかね?実は、これも納まりに失敗した為に取り付けたんです。これを付けないと基板や電池ボックスをとめているねじの頭の厚みがそれぞれ違うので、台がガタガタになり不安定になってしまうんです。苦肉の策です。

 

とにかく線が多い、ゆえにコネクタで基盤から本体を分離できるようにしました。これを行わないと回路の組み込みに支障をきたします。

もっと配線を少なくする工夫を考えておくべきでした。LEDを並列回路で点灯させているのだから、配線を少なくする工夫なんていくらでもできたろうに・・・。と、後になってから思います。後の祭りですね。

 

 

うこうして完成にこぎつけるために、回路構成および回路製作に1日、本体の組み立て、塗装に3日合計4日掛かりました。

実際は微修正に0.5日ほど掛かっていますがね。4.5日かな。

いつも作ってから思うことですが、作った後にどうしてもアラが見えてきます。その修正に半日くらい掛かりますね。

本来なら作っている途中に修正すればいいものを、と後で思ったりするのですが。作っているときは必死になっていますのでそこまで気が回らないというのが実際のところです。

下が完成写真です。

 

ステンレススチールのボディを持ったデロリアンを再現するための塗装の下地処理剤としてサーフェサーの#1200をあらかじめ塗布しておき、塗料の喰い付きを良くしておきました。

 

少し、ピントが変ですが、フロントから見たところ。もう少し、銀色の表面を削ったほうがいいかなとも思います。

横面から。飾り台にBTTFのプレートを取り付けました。

トグルスイッチの安物を買ったため、取り付けた途端に壊れました。結局、日本橋にもう一度走る羽目になりました。

統括電源のON−OFFスイッチにはON状態で青のLEDが発光するようにしました。

後ろから。このキットの一番機械らしいところとしょうか。各種配線にチューブを被覆し、それらしく塗装しました。光ファイバーの端部を露出させてスイッチで光るようにしました。

ナンバープレートにある、

「OUT−A−TIME(超時間)」

というのが洒落が効いていいですね。

は、LEDを光らせた状態での写真です。少し暗めにして撮影しました。

統括の回路スイッチを入れると基板上の緑LEDが発光するようになっています。基板に電流が来ているかどうかの確認用に取り付けているものです。

横から見たデロリアン。

高輝度のダイオードを使っているので、よく光ります。

その代わり、以前に製造されていたLEDよりも作動電圧が高いのが難点です。

フロント・ライトの色が本物の電熱球のようでいい感じで発光しているでしょう?

これもLEDです。

電熱球色を表現するLEDがありましたので使いました。

ななめ後ろからの撮影。
ななめ後ろからの撮影。
熱核融合炉部分を上から撮影。ここに光ファイバーを散らしました。

回、カーモデルを作ってみましたが、航空機と違う難しさがありました。

航空機はパーツの接着と処理さえきっちりしておけば、よほどのことが無い限り失敗はしません。

しかし、車は縮尺が大きいせいか作りこみよくできているからかよくわかりませんが、ごまかしがきかないという難しさがありますね。車はいつも見慣れているものだけに、余計にそう思うのかもしれません。

 

これで来年の盆休みまでプラモ作りはしません。プラモ製作は休業です。

 

さあ、来年の夏は何を作ろうかなー?やはり、オーソドックスに戦闘機だな。

 

 

 

 

 

 

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